岩下宣子のマナー講座 第22期 手紙と葉書き

2月12日は旧正月、旧歴の元日でした。気持ちもあらたに翌日13日にマナー講座が行われ、前期コース・全五回が修了いたしました。このようなコロナ禍であっても受講を諦めずに毎回笑顔でご参加くださった22期生の皆様、本当にありがとうございました。

五回目の講座は、「手紙と葉書」と「言葉遣い」、手紙の組み立て方や書き方等の基本的なマナーを学びます。『どう書いてよいのか・・・』『字が下手なので・・・』と手紙に苦手意識のある方が多いのですが、『大事なことは、相手を想い、一字一字丁寧に心を込めて書くことよ』という岩下宣子の教えに、和気あいあいの雰囲気の中で手紙を書く楽しさに触れていきます。

受け取る方を想いながら書かれた手紙、便箋や葉書そして切手にまで添えられたさりげない心遣い、時間や命を削って書かれた手紙には、メールやラインでは味わうことのできない感動が生まれます。時には、季節や風や香りまで・・・。互いの心を結び温かく満たしてくれます。

ところで皆様は、ハガキの語源について聞かれたことはございますか?
ハガキの語源は諸説ありますが、紙片などに書いた覚書き「端書(はしがき)」が語源であるという他に、葉書とされたのには、タラヨウ(多羅葉)の葉が由来ているとか。

タラヨウはモチノキ科の常緑樹、葉は楕円形で長さが20cm以上あるものもあります。葉の裏面に尖ったもので字や絵を描くと、すぐに文字が浮かび上がる特性や文字がそのまま消えずに長く残る性質があることから、平安時代には、小枝などで言葉を書き相手に渡し思いを伝えたり、お経を書き残したり、火で炙った時の模様で占いをしたり、特別な植物として神社などに植えられ大切にされていたと言われています。戦国時代には通信に、江戸時代には子供の手習い用や、麻疹の大流行時には麻疹よけの歌を書いて川に流したり、家の前にぶら下げおまじないとしたり、人々は切実な願いをタラヨウの葉に書き込めていたようです。

こちらは、東京、丸の内「KITTE」、東京中央郵便局の一階に植えられたタラヨウです。平成9年、タラヨウは「郵便局の木」と定められ、全国各地の郵便局に植栽が奨励されました。今もこの葉に宛名を書いて切手をはり、ポストに入れると郵便としてきちんと届くそうです。(規格内定形外郵便扱いで120円切手です!)変色しないよう文字を書いたらすぐに乾燥させるなど注意が必要ですが、まさに本物の「葉書き」が届いたら、びっくりですね!! 皆様の街の郵便局でも是非探してみてくださいね。

岩下宣子とこれからのマナー・礼法を考えるワークショップ

※こちらは応募締め切りました。

コロナ禍になり、ビジネス・日常のマナーで困った経験はありませんか?
状況や時代、相手の考え方にによってマナーは変化すると私たちは考えています。

相手の立場に立つマナーを目指すためには、他者がどのように思うか、どんな考え方があるかを知ることが大事だと思います。

価値観を共有し、それぞれの価値観の違いなどを知ることにより、コロナ禍の今と、今後のマナーを一緒に考えてみませんか?
ご参加お待ちしています!

お申込みいただいたメールアドレスにオンライン会議システムzoomのURLや詳細を返信いたします。
お申し込みは、2/11(木)参加費2,000円のお振り込みは2/13(土)までにお願いします。

【お申し込みから当日の流れ】
お振込みを確認後、お申込みいただいいたメールへ連絡(2日前の2月14日までに)
1.オンライン会議システムzoomのURLをお知らせいたします。      
2.当日は、ワークなどがありますので、できるだけPCでの参加をお願いいたします。 
3. zoomやオンライン受講について不安がある方は申込フォームの「ご希望やお問合せ内容」でお知らせください。フォローさせていただきます。

岩下宣子のマナー講座 第22期 贈答とお金包み 

昨年10月よりスタートしたマナー講座も早いもので4回目、お正月明けの1月9日に行われました。

カリキュラムは『贈答とお金包み』、日本人のお付き合いのマナーの一つとして色々と難しいしきたりのように感じられる方も多いのではないかと思いますが、講座では、熨斗の由来や「包む」「結ぶ」という形を紐解きながら、日本人の物を大切に扱う心、そこに秘められた相手への敬意、贈る心を形にした日本の贈り物の文化を学びます。また、実際に和紙を折り、水引を結び、お金包みも作成します。

赤白の水引で『結びきり、輪結び、蝶結び』を、最後は金銀の水引で『老いの波』に挑戦。『老いの波』は目尻の小じわを表し、それができるまでどうか永く添い遂げてくださいという意味で、結婚のお祝いに結びます。割り箸の先を細く削ったもので、心を込めて一本ずつ丁寧に巻いていきますが、これがなかなか難しく一苦労。そんな中、受講生のおひとり18歳の大学一年生のYさんが作ってくれた老いの波のあまりの美しさに、大歓声が上がりました。

Yさんが作成した老いの波

ふんわりと優しい風合いで折られた奉書紙、丁寧に美しく結ばれた水引、最後におめでたい熨斗をつけて世界にたった一つしかないお金包みが完成!!誰もが感動し、あらためて贈り物へ込められた日本人の繊細な感性を満喫した一日でした。